肉本来の持つ旨み、食感『肉味』を最大限活かせるような製法で日々製造しています。
塩漬は食肉加工メーカーなどで行われているインジェクション法(肉に専用の注射器で塩水、増量剤などを添加、塩漬期間の短縮)は行わず、じっくり0℃付近の冷蔵庫で2-3週間程かけて塩漬、肉の熟成を行う『氷温熟成』をしています。しっかり熟成させることにより肉のタンパク質が旨みの素アミノ酸へと変わっていきます。
また、塩分も控えめにしています。ちょうどよい塩分により、食材そのものの味がより一層引き立ちます。塩分が多ければ、賞味期限が長くなったり、一瞬おいしく感じると思います。しかし毎日でも飽きることなく食べていただくにはちょうどよい塩分が必要だと考えます。
当店で使用している豚肉はすべて国内産豚肉です。当店のみの取り扱い静岡型銘柄豚『すそのポーク』を主に使用しています。この豚は御殿場市内で育てられ、山梨県の山梨食肉流通センターで食肉処理されます。屠殺前には生体検査が行われ、病気がないか検査されます。屠殺後にも枝肉、内臓の検査が行われ合格したものだけが当店へと保冷車で輸送されます。そのまま食べても大変おいしい豚肉を加工するのですからそれ以上においしい製品をつくらなければなりません。
また、同じ豚肉を原材料とした製品でも、豚肉の品種、産地によっても味、食感が全く異なるのでその製品に最も適した豚肉を使用しています。
牛肉、鶏肉も同様、その製品に最も適したものを厳選し使用しております。
燻製も燻液で強制的に燻製の香りをつけたり着色剤で燻製したような色をつけることはせず、桜のチップを使ってじっくり燻製していますので香り高くおいしそうな色の製品に仕上がっています。燻製することで、旨みが増したり、生臭さが消えたり、殺菌効果もありますのでしっかり燻製することが大事です。
ヒッコリーなどの日本にはない木のチップの方が本格的かもしれませんが、私たち日本人には日本で入手できる材料の方が、違和感なく食べられると考えています。
また当店では、オートスモークハウス(機械で乾燥、燻製、加熱、冷却まですべて行ってくれる機械)でなく、チップを加熱して煙を出すという最も原始的な『直燻』による燻製の方法です。オートスモークハウスでは製品の目減りはほとんどしませんが『直燻』では目減りいたします。しかしこれは旨みが凝縮されるということですので、おいしい製品が出来ます。また技術や経験も必要になります。
保存料・着色料・増量剤は一切使用しておりません。
当店で使用している食品添加物はリン酸塩(Na、K)、甘味料(ソルビット)、発色剤(亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム)、酸化防止剤(ビタミンC)です。
亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウムの使用目的は厚生省の表示義務の発色剤としての使用だけなく、風味を引き出したり、ボツリヌス菌の生育を抑制するためでもあります。
当店の亜硝酸根残存量はポークハム0.0072g/kg、ソーセージ0.0068g/kg、ベーコン0.016g/kgと食品衛生法が定める基準(0.070g/kg)を大きく下回っております。また0.070g/kgという基準も下記に記した様に十分に安全性を考慮したものとなっております。
肉類の歯ごたえを良くしたり、ハム・ウインナー類の結着剤、ビタミンCの保持作用があります。
リンは生体には不可欠な元素で体内のエネルギー交換の大きな役割をしたり、カルシウムやマグネシウムとともに骨や歯の主成分になります。
また、リンとカルシウムには密接な関係があり、とりすぎは血中カルシウム濃度の低下を 招くおそれがあります。
ハム、ソーセージの加工には使用基準がありませんが当店では必要最小量だけ使用しています。
糖の一種でりんご、桃、ナナカマドなどの果汁に含まれます。いわゆるりんごの蜜です。
糖尿病患者などには砂糖の代わりに用いられます。
名前は似ていますが使用基準が定められている保存料のソルビン酸とは全くの別物です。
名前が似ているのはどちらもナナカマド属の学名「Sorbus」に由来するからでしょうか。
抗酸化剤として用います。抗酸化剤は酸化による品質の低下を防いだり、亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウムの使用による発がん性ニトロソアミンの生成の抑制などを防ぎます。
また、ビタミンCは水溶性(水に溶けやすい)のため過剰摂取の心配はありません。(尿に排出されます)
有用性
1 発色機構
食肉中で還元され食肉中のヘモグロビン(血色素)、と結合し、安定した鮮紅色を呈する
2 抗ボツリヌス作用 抗菌力を示す。
毒性
1 急性毒性
多量の摂取ではヘモグロビンの機能低下により酸素が十分体内に運搬されず酸欠症状(硝酸塩中毒)を起こす。
2 慢性毒性
第二級アミン(海産魚に多く含まれる)と反応し発がん性ニトロソアミンを生成する。 「獣医公衆衛生学:文永堂出版より」
※ボツリヌス中毒について
食品の保存中にボツリヌス菌(Clostridium botulinum)が産生する毒素による食中毒で18〜19世紀の欧州産ソーセージ、主に血液ソーセージ(botulus)に由来し、神経症状(めまい、頭痛、瞳孔散大、複視、嚥下困難、呼吸失調)を呈し致命率が高い。
またボツリヌス菌は世界各地の土壌や海底、湖沼に分布しています。
予防には加熱殺菌、品質管理、亜硝酸ナトリウムなどの防腐剤の添加、食前の加熱等があります。
「獣医衆衛生学:文永堂出版より」
※亜硝酸と使用基準
亜硝酸ナトリウムの発がん性の危険を回避するため、食肉製品への亜硝酸ナトリウムの使用基準は食品衛生法により亜硝酸根として最大残存量は0.070g/kgとされています。この数字はWHO(世界保健機構)で定めた方式で決められます。具体的には慢性毒性試験から動物が毎日、一生涯食べて続けてもなんら生涯の起こらない最大無作用量を求め、これに十分な安全値(通常1/100〜1/500:人と動物の違いや幼弱者を考慮したもの)を乗せて人体1日摂取許容量(ADI))(mg/kg/day)から厚生省が決定します。
店主の考え方として、WHO、,厚生省による安全性が確証された基準値を守れば亜硝酸ナトリウムの有効性は食中毒の危険性を防ぐため欠かせないものであると思います。
以上のことから、リン酸塩、亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、酸化防止剤(ビタミンC)の組み合わせは、美味しくて、安全なハムを作るうえで欠かせない食品添加物であると思います。
ハム、ソーセージ等の委託製造、承ります。
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